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声に出して唄おう日本の春歌(西はるか) [読後感想文]

声に出して唄おう日本の春歌(西はるか)

 

 こんな本見付けた、と旧友がラインで知らせてくれた『声に出して唄おう日本の春歌』は居住区内の図書館には所蔵が無いため、わざわざ他地区から取り寄せてもらった本だった。春歌の本を手に取るのは、傘寿まじかの我れ、不覚にも初めてのことだった。今更、という抵抗感のようなものと戦いながら読み進むうち、所々であっと思う。昔々似たような歌に思わず心掴まれた記憶が蘇ったからだった。 例えばそれは、童謡『証城寺の狸囃子』の替え歌、「しょしょ処女じゃない、処女じゃない証拠には、つんつん月のものが・・・」。或いはヨサホイ節、「一つ出たホイのヨサホイノホイ、一人娘と・・・」。そしてサトウハチローの『めんこい仔馬』、「夕べ父ちゃんと寝たときに変なところに・・・」。

 45年前、最初のモスクワ駐在から帰国すると、或る新入社員が入っていて、学生時代よく歌った(唸った?)というのを披露してくれたが、それも二つ入っている。一つは、「草木も眠る丑三つ時、突如起こる剣戟の響き、『怪盗〇〇〇〇、御用だ!』『何を!目明しの金玉』。もう一つは、「ゴムでもないのに伸び縮み、偉くもないのにヒゲがある、竹でもないのに節がある、金玉の七不思議、金玉の七不思議」。

 男女の秘部に様々な方言があることから齎される滑稽さが紹介される中に、女性の『べべ』があって、ある地方では童謡『金魚の昼寝』を歌うとき生徒は下を向くと記載あり。これはきっと僕の田舎のことだろう。「赤いべべ着た」というのが何とも恥ずかしかった。

 戦後間もない頃パンパン(街娼)という言葉があったが、本書によると語源はインドネシア語だと言う。昔ジャワ島に2年ほど出張していたが、そう言えばあそこは戦時中日本の占領下にあり、インドネシア語で女性のことをプルンプアンと言ったっけ。

 というわけで折角の旧友の紹介、生まれて初めて春歌の本に親しんだ。で思わず彼の齢を数えたら、友は傘寿を超えていた。

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202448日)


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