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中東問題再考 [読後感想文]

中東問題再考(飯山 (あかり)

 

 中東のことなんぞ我関せずと思い込んで78年を生きてきたら、ウクライナ戦争の戦塵なおのぼる昨年107日、今度はパレスチナのガザでドンパチが始まり気になって仕方がない。今年の正月、初めて手を出した関連本が『ハマス・パレスチナ・イスラエル(飯山 陽)』、次に読んだのが飯山がボロクソに貶していた高橋和夫・放送大名誉教授の『なるほどそうだったのか、パレスチナとイスラエル』(途中で何が何だかこんぐらかって来てしまい、途中放棄)。そして今度の3冊目が『中東問題再考』、著者は再び飯山 陽(イスラム学者)である。

 前にも触れたようにこの人の主張は優れて旗幟鮮明で分かり易い。中東世界をイスラム原理主義を標榜しテロリストを支援する国(アフガニスタン、イラン等)と欧米のデモクラシーの価値観との共存を目指す国(サウジ、アラブ首長国連邦、バーレーン等)に分け、前者は己が国民をむしろ貧困化、難民化させているとして、日本が組するべきグループは唯一の軍事協力国(米国)を含む欧米側しかあり得ないと主張する。ところが残念なことに、日本のマスコミと学者等専門家グループは、反米国家のイラン、アフガンや、彼らが支援するテロリスト・グループ(タリバン、ヒズボラ、ハマス、パレスチナ自治政府等)を擁護する記事を書いて、日本の大衆をミスリードしているとして慨嘆頻り。のみか、文中の至る所で社名、記者名、学者名等を書き連ね、こんな事を言った、あんなことを言ったと慨嘆する。高橋和夫はともかく、もと都知事の舛添要一も池上 彰も容赦しない。こんなに個人名を連発して大丈夫かなと心配するほど、読者には痛快だった。

 いやあ、イラン、アフガニスタンをはじめ、トルコ、シリアに至るまで幅広く、面白く勉強させて頂いた。しかはあれ問題は、習うそばから忘れゆく我が記憶装置。どこまで続く泥濘(ぬかるみ)ぞ。

IMG20240209143409.jpg

2024223日)


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