日本を蝕む闇の政府 [読後感想文]
日本を蝕む闇の政府
馬渕睦夫(元外交官)と松田 学(参政党議員)の対談集『日本を危機に陥れる黒幕の正体』を読んだ。馬渕の著作・対談集に初めて触れたのがつい4カ月前だったのに、もう4冊も読んだことになる。この人は、ある人々から陰謀論者と揶揄されるように、俄かには信じ難いようなこと(あの戦争でウクライナはとっくにロシアに負けている、とか、米国の政治は百年前から闇の政府に牛耳られている云々)ばかり語るのに、今なぜ読み漁るのか我ながら妙に思う。もし本当だったら大変だと、誰かに囁かれているのかもしれない。以下に、対談の一部を抜粋するが、憐れ我れ、正否の判断能力に自信がない:
【ネオコンとは何か】
Neoconservatism(新保守主義)の名称からは及びもつかないが、百年以上前の米国ウオール街や英国シティーの金融業者が中心となって、世界をグローバルな単一市場に統一して支配しようとする国際干渉主義。ネオコンは、もともとはロシアで起こったトロッキーによる世界共産化革命に端を発す(当時のロシア革命家の大半はユダヤ系)。
ネオコンは米国政府高官(特に国務省)に同調者を多く擁し、ディープ・ステート(闇の政府)として国際政治に甚大な影響を齎した。共和党のブッシュ父子時代の湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争を起こしたのはネオコン。その後政権が民主党になってからクリントン、オバマ、バイデンは全てネオコン政権である。
【ネオコンの敵はナショナリスト】
ネオコンの敵は、民族主義国家を旨とするトランプであり、プーチン。いずれもネオコンの存在を意識、トランプは「アメリカ ファースト」の標語の下、各国がそれぞれ自国優先主義を貫くことがひいては世界に平和を齎すとの考え方。ウクライナでプーチンが戦っている本当の相手はゼレンスキーではなくネオコンである。
【米国のメディアはネオコンの手先】
米国は百年前の第28代ウイルソン大統領時代以降、厳密な意味での民主主義国家ではない。多くのメディアがネオコンの支配下にあるため、国民はマスコミを通じて洗脳されて来た。
【歴史認識修正の兆し】
そんな中、しかし4年前の2019年9月に、メディアに毒されていた歴史認識に漸く風穴が開いた。EUの議会により「欧州の未来に向けた重要な欧州の記憶」が議決されたが、そこに於いて初めて、第2次世界大戦の原因が独ソ不可侵条約及び秘密議定書(独ソによるポーランド分割)にあることが確認されたからである。
これまでの80年近くを、特に大人になってからの60年の大半は、何となくマス・メディアの情報の只中で生きて来た。まして日暮れてからは酩酊の世界。今更どうなるものでもあるまいが、探し続けてみようと思う、一体どんな世界に生まれて来たのかを。たった一回ぽっきりの、これがかけがえもない人生であるならば。
(2023年11月10日)