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アメリカの根源的大罪 [読後感想文]

アメリカの根源的大罪


 山下英次・著『日本よ、歴とした独立国になれ!』。本を読んでこんなに驚いたことはない。僕が生まれたこの国が1歳未満の時に戦争に負けて約7年植民地だったことは聞いていたが、この本の著者によれば、その後も完全には独立を果たしておらず、大多数の国民意識も、植民地時代にGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)に洗脳された歴史認識に冒されたまま、そこから脱却し切れていないと言うのだ。しかも、そのことを示す様々な事実や証言を挙げられると、なぜかあっと頷いてしまう自分がいる。著者の山下英次は紹介欄を見ると1947年生まれだからほぼ同世代、東京銀行勤務から学会に転出した国際政治経済学者である。


 読み始めて早々、己れ自身がGHQの洗脳教育を浴びた世代のど真ん中であることに気付いた。あの頃からずっとずっとつい最近まで、アメリカこそ世界の正義の味方、一方父や祖父の時代の日本は軍国主義に狂っていたと信じていた。なのに著者はいくつもの反証を挙げる。例えば連合国側主要国のチャーチル首相(当時)が書いた『第2次世界大戦回顧録』の中の言葉、「あの戦争は起こさなくても済んだ、不要の戦争だった」。或いは大戦前の第37代米国大統領フーバーが回顧録『裏切られた自由』の中で明かす:彼は大戦終了後に訪日し、マッカーサー司令長官と面談時に語った、「日本との戦争は狂人が望んだものだった(マッカーサーは、これに頷いた)。日本への経済制裁は戦争に等しかった。いかなる国でも、誇りがあれば、あのような挑発に長いこと耐えられるものではない」。狂人、それは第38代大統領フランクリン・ルーズベルトのことだった。


 著者は舌鋒鋭く米国を、就中(なかんづく)当時のF.ルーズベルト大統領を批判する。上述のフーバー前大統領を始めとする様々な証言を基に、彼こそが日本を戦争に追い込んだ仕掛け人だが、罪はそれに留まらず、あろうことかスターリン率いる共産主義のソ連と組み、ヒトラーのドイツを第2次大戦そのものに誘導した張本人だから、本来裁かれるべきは、ドイツでも日本でもなく、ルーズベルト主犯の下に20世紀最大の愚行(根源的大罪)を行った米国でなければならなかったと。


 いやあ、この他にもこの本には教えられることが多過ぎて、とても書き尽くせそうもないので、この辺でいったんは筆を擱かせてほしい。IMG20231031153005.jpg


2023114日)


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