SSブログ

もう一つの忘年会 [巷のいのち]

もう一つの忘年会

 

 師走22日吉祥寺に集った5人は、56年前の昔一つ商社に入社した同期の桜。うち一人は商社退職後樹木医に転身、今なお現役で頑張る彼の案内で井の頭公園を覗く。公園は、揃って傘寿の5人に付き合わなくてもよいのに、残秋も終りかけ、樹々の殆どは葉うち落としてスッポンポンの丸裸。未練気に残るモミジ葉もどどめ色にやつれ、寒空に震えていた。最初に童謡「ちいさい秋みつけた」を作曲した中田喜直(よしなお)の石碑を見て、次に井の頭弁財天(大盛寺)を、最後に野口雨情の歌碑「井の頭音頭」を訪れると、石碑には5番の歌詞が刻まれていた、「鳴いて さわいで 日の暮れごろは (よし)行々子(よしきり) はなりゃせぬ」。こんな歌はまったく知らなんだが、子供の頃歌ってた童謡のほとんどは雨情の作だった(シャボン玉、七つの子、赤い靴、雨降りお月さん、しょうじょうじのたぬきばやし)。

IMG20231222151333.jpgIMG20231222153359.jpg

 公園から街に戻り、蔵元居酒屋の青龍に座る。この5人、僅か5人、けれど出身は全国津々浦々、北は北海道、南は九州、本州は茨城、岐阜、京都にばらける。それどころか商社の時代は世界各地に散らばり棲んだ。南米ブラジル、豪州、ロシア、アゼルバイジャン、ドイツ、スペイン・・・。

 生ビールで乾杯の後はそろりと日本酒に移行。お酒は埼玉県の地酒“青龍”。このメンバーは要注意と思っていたのに、いつの間にかそれを忘れ果て、いつ別れて、どう帰ったものやら、気が付いたら明くる日、布団の中だった。ああ、これがほんまの忘年会!

IMG20231222170547.jpg

20231223日)


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感