SSブログ

同期の宴 [忘れ得ぬ人々]

同期の宴

 昨日は、真っ昼間の酒宴になった。半世紀以上前一つ商社に入社した同期の桜、うち5人が最近ラインでつるみ始めたところ、たまにやライン抜きでやろうとなった。で、集まった場所が何と、高田馬場の『へぎそば昆』。偶然の一致にもそこは、先月3日、同じ同期の桜でもまったく別の連中と麻雀を打った後に酒を呑んだ店だった。

 百人は優に超えていた同期の桜、しかし商社を離れて二十余年、今に縁が続く桜は変わり者が多い。退職後ある者は日本語の教師の資格を取って、中国の大連とベトナムのダナンで長年教鞭を執り、帰国後は来日留学生に日本語を教えていた。また、ある者は、資格を得て植木屋に変身したかと思えば、その後樹木医として公園や高尾山等グリーンの世界で活躍、今に至る。

 今日の5人、僕を除いては南半球の駐在経験者が多い。フィリピン、豪州、パプアニューギニア、ニュージーランド、ブラジル・・・。酒を得た舌は、次から次へ思い出話を紡ぎ出す。北半球、しかも寒いロシアしか知らぬ僕には、想像もできないほど明るく自由な世界のようだ。日がまだ中天に高いと言うのに、銚子が次々と空になる。とっくに皆んな喜寿を超えているはずが、己が歳をしばし忘れたか?話しがあちらへ飛び、こちらに飛び、ついにはプーチンに話が及ぶと、「日本はNATOに加盟したらどないやねん」なんちゅう意見までが飛び出す始末。

IMG20230413131614.jpg

 昼下がりの老人飲み会は、回りも早いが、効きめもあらたか。勘定終えて散会。一歩外へ踏み出し、つんのめりそうになるのを堪え、さりげなく抜き足差し足、駅に向かう。その後A君と二人、評判の根津神社のツツジ苑に立ち寄った。ツツジはまさに花盛り。時々よろけそうになりながら、ひとわたり美の競演を見終える頃には、足元がようやく定まって来たようだった。

IMG20230413160215.jpg

2023414日)


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感