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父の謝罪碑を撤去します(大高未貴) [読後感想文]

父の謝罪碑を撤去します(大高未貴)

 

スティーヴン・キングの長編ホラー小説は諦めたものの、読みかけたドストエフスキーの『罪と罰』にはまだ戻れそうにない。ロシア語の合間からプーチンの顔が覘きそうで、どうにも気が進まないのだ。代わりに手に取った『父の謝罪碑を撤去します(大高未貴)』は、慰安婦問題に関するルポだった。

 所謂従軍慰安婦問題についてはこれまでも折に触れいろんな情報に触れてきたが、この本のお蔭で全体像を時系列的に把握できたようだ。即ち、

19801982年:朝日新聞が自称・従軍慰安婦強制連行実行者の吉田清治に関する特集記事を発表。

1983年:吉田清治が訪韓、自費で「謝罪の碑」を建立し、その前で土下座をして罪を詫びる。これを朝日が「たった一人の謝罪」として喧伝。

1993年:河野洋平官房長官が所謂河野談話を発表、政府を代表して謝罪する。

1996年:国連人権委員会がクラスワミ報告(慰安婦20万人は性奴隷)を発表。

2000年:吉田清治死去(夫人は1979年死去)。

2011年:慰安婦像第1号が、北朝鮮とつながる韓国挺身隊問題対策協議会によりソウルの日本大使館前に設置される。

2014年:吉田清治の証言が虚偽であったことが判明し、誤報を認めた朝日が謝罪発表を行う。

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(と、ここまでは何となく知っていたが、以下はこの本で初めて知った)

2017年:吉田清治の長男が第3者を介し、父が建立した「謝罪碑」を撤去しようとしたが、物理的に叶わず、ためにその上から「慰霊碑」をかぶせて貼り付けることにより、虚偽の謝罪を見えなくした。そのことについて韓国側に事前了解を求めることはせず、事後に報告した。

 

父の清治は定職とて無く、ただ一人の弟は統合失調症。ためにこの長男は家族のために日夜働き詰め、ずっと独身を通したという。吉田清治の人生は波乱に満ちているが、その人を親に持った子供の心の内は、僕には想像することさえ難しい。今、慰安婦像は韓国に百体以上、更に海を越えて、米国、豪州、カナダ、中国、ドイツにまで拡がっているという。

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いつもの散歩道の木槿(むくげ)(韓国の国花)の花が、この夏は特に綺麗に見えて、しかしどこかに憂いを含んだ風情もある。いつか見てみたい、この花がただ美しく、そして明るく咲く様を。

2022830日)


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スティーヴン・キング、ご免なさい [読後感想文]

スティーヴン・キング、ご免なさい

  

スティーヴン・キング(アメリカの小説家)という名を初めて聞いたのは、かって霞が関で机を並べて仕事した年の離れた同僚からだったと思う。今年に入り短編集を4冊読んだら、いずれも味のある作品ばかり。しかも原作に基づく映画を観ると、これがまた素晴らしい。例えば、「刑務所のリタ・ヘイワース」(映画「ショーシャンクの空に」)や

「グリーン・マイル」。それで目が眩んだか、今度は長編を味わってみようと思い立ち、図書館に予約を入れたのが『IT(上巻)』、『ザ・スタンド(上巻)』、『11/22/63(上巻)』の3冊。用意ができたとの連絡を受け、行って驚いた。いずれも分厚くずしりと重い。2段組で文字は小さく、500頁以上、1,000頁近いのもある。上巻だけでこれである。

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 先ずITを読み始めると、途中で何やら焦燥感のようなものに襲われた。時間は無限にあると考えているのか?このままホラーの世界に埋没していて本当によいのか?お前は、ロシア語の『罪と罰』(ドストエフスキー)も読みかけてまだ2割も進んでいない。長年学び、これからも学ぼうとしていたロシア語の世界をどうするのか?人生のかなりの部分をつぎ込んだロシア語の世界が、今頃になってプーチンの戦争により辱められたと言って、それですごすご引き下がるのか?ましてロシア語以外にも世の中は知らぬことだらけ。学ぶことは山ほどもあるのに。

 迷い迷いつ、60頁の所でITを閉じて、他の2冊と併せ図書館に返却した。スティーヴン・キングは確かに面白い。けれどどうも今、ホラー小説に入り浸るには早いようだ。

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 この夏、暑い日が続いていたが、今日はからっと晴れ上がり、日向の空気も爽やかな肌触り。いつもの散歩路の川べりから見る空の青さも雲の形も、どことなく秋めいて見えるのだった。

2022829日)


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門田隆将の世界(新・階級闘争論) [読後感想文]

門田隆将の世界(新・階級闘争論)

 

 門田隆将(かどたりゅうしょう)もまた好きなジャーナリストの一人である。初めて読んだのが『死の淵を見た男』。男とは、東日本大震災時東電福島第一原発所長だった吉田昌郎(まさお)9年前、58歳で逝去)。2冊目は『汝、二つの祖国に殉ず』。主人公・湯徳章(とうとくしょう)は日本人の父と台湾人の母の間に生まれた弁護士。蒋介石の軍事政権下に勃発した228事件の折、反政府活動の咎により台南市で公開処刑されたが、その後40年にも及ぶ戒厳令体制が解かれ、李登輝が総統になった直後に名誉を回復。彼が処刑された公園は湯徳章記念公園と改称され、命日は台南市の「正義と勇気の記念日」に指定され今に至る。

 上記2人いずれも国も時代も異なるが、世のため人のために身命を賭して闘う様が迫力をもって描かれていた。一方、僕にとっては5冊目の今回の『新・階級闘争論』は月刊誌に発表されたエッセイの寄せ集めだから、趣はがらりと違う。違うけれどもエッセイごと「ああ、そうだったのか」と、改めて教えられることが多かった。エッセイが採り上げた殆どの出来事は日頃新聞・テレビで見聞済のものばかり。したが著者の視点が決定的に違うのは、根底にメディアに対する徹底的な不信感があること、従って情報を鵜呑みにはせず、更に広く深く事実を追求するからであろう。

 例えば昨年2月、もと総理の森喜朗が女性蔑視発言をしたとマスコミに吊るし上げられた結果、日本オリンピック委員会の組織委員長(無報酬)を降りざるを得なくなった事件。著者によれば、森喜朗を知る人は皆、彼が女性を大切にすることをよく知っている、また問題発言を素直に読めば、女性を蔑視するような発言はまったくしていない。なのに発言中の片言が切り取られ、勝手な解釈を付けて針小棒大に騒ぎ立てられたというのが真相らしい。

 例えば代表的な民主主義国家であるアメリカのマスコミこそ、公明正大と思い込んでいたが、それはとんでもない誤解で、マスコミの90%は民主党支持だという。20211月の大統領選挙の際、トランプ支持者が連邦議事堂に侵入、5人が死亡した。トランプはとんでもない奴だと心のどこかで思っていたが、どうもことはそんな単純な問題ではないらしい。

 例えば男系天皇と女系天皇の問題。ただ漠然と、男系天皇であるべしと考えていたが、この本で著者の説明を読んだら、その訳が実に素直にストンと腑に落ちた。いやあ、門田隆将はやっぱり面白い。

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2022824日)


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座敷牢暇つぶし [読後感想文]

座敷牢暇つぶし

 

 奥多摩の山で滑落しかけ危うく九死に一生を得てから、もう直ぐ一年になる。あん時やほんとにやばかった。つるっと滑った瞬間道から崖へ逆さまに一回転、切り立つ崖肌に叩きつけられた。たまたま枯れ藪に引っ掛かったから助かったものの、十中八九はお陀仏となり、101歳の母に三つ目の逆縁をもたらすとこだった。その3か月後には学童パトロールの帰途、街中で転倒。その頃から股関節に変調をきたし、靴下を履くのも、足裏を洗うのも、胡坐をかくのも痛い。挙句、トイレットペーパーさえ目指す所に届き辛くなり、長年の伴侶からは、後ろからではなく前の方からアプローチしてはどうかとアドバイスをもらい、試みたものの、邪魔物二つが通せん坊、男には無理だと諦めた。

 かくして年初に整形外科を受診、以来毎週リハビリに通った結果、股関節の痛みは僅かづつやわらいできた。そんなこんなでこの半年は座敷牢生活にいよいよ拍車がかかり、小一時間の散歩の他は蟄居して、日があるうちは本を読み、暮れては焼酎の湯割りを舐めながらテレビかパソコンで映画(主として洋画)を観る日が多い。

 映画は、今年に入ってから、観た後で感想をメモに残すようにしたが、それによれば今の所62本観たうち、最も感動したのは6本、中でも『シンドラーのリスト』と『ショーシャンクの空に(原作スティーヴンキング)』が圧巻だった。前者はこれまでにも何度か観たが、何度観ても素晴らしい。後者は、原作の小説を読んでから観た映画だが、とても感動的で、やはり何度でも観たくなるような優しい魅力に溢れている。それかあらぬか『ショーシャンクの空に』は、「死ぬまでに観たい名作映画66本」というサイトで何と世界歴代の首位を占めている。

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 本は、面白そうなのを図書館で借りる。今度読んだのは『禁断の中国史』(百田尚樹)。百田尚樹を読むのは『永遠の〇』以来これが確か9冊目。お気に入りの作家だが、今回のはとてつもなく陰惨な本だった。中国4千年の歴史を連綿と貫く為政者と大衆のおぞましさが、これでもか、これでもかと炙り出されている。それはいずれも日本人の想像を超える規模の虐殺の歴史であり、身の毛もよだつような刑罰(切り刻み、皮剥ぎ、車裂き、釜茹で、鼻削ぎ、等々)であり、人食いの習慣であり、宦官(かんがん)の制度や纏足(てんそく)の風習である。文中の所々には著者の警告さえ挿入されている、ここから先は、気持ち悪くなったら無理には読み進めないようにと。

 著者の見立てでは、現下の中国共産党政権もまた、殷に始まり周、秦、漢と続いてきた匪賊的帝国の一形態に過ぎず、自分の利益のためなら義理も人情も踏みにじる、極めて冷酷な権力であると。ウイグル族、モンゴル族、チベット族に対する弾圧も、そういう視点から見ればなるほどと合点がいくようだ。

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2022817日)


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池井戸潤の世界(半沢直樹⑤) [読後感想文]

池井戸潤の世界(半沢直樹⑤)

 

 連日30度を超す猛暑日だ。相変わらずミンミンゼミやアブラゼミが元気一杯鳴いているが、日が進むにつれ、鳴き疲れか、恋疲れか分からぬが、路傍に蹲ったり、仰向けで腹を晒すのが増えている。写真の蝉は、自転車のタイヤに取り付いたまま、人が近付いてもびくとも動かない油蝉。だいぶお疲れのようだった。

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 半沢直樹も最後の5冊目『アルルカンと道化師』を読んだ。今度も企業の合併を巡る銀行内の権力争いのストーリーで、敵は私利私欲にまみれ権謀術数に長けた、重役一歩手前のエリート銀行マン。対する直樹は一支店の課長に過ぎないが、会社のため、得意先のため、ひいては社会のために全力を尽くす正義の味方。口癖は、「基本は性善説。だが——やられたら倍返しだ」

 圧巻は最後の場面。頭取以下幹部・中堅1,000人が居並ぶ会場で、主人公が悪漢上司に倍返し、完膚なきまでに論破する。ああ、いい気味だ!・・・・しかしそれ以上に感動したのは、ストーリーの中に組み込まれた二人の若い絵描き仲間の物語だった。一人は独創的な『アルルカンとピエロ』の絵を描くが、世に出ぬうち病に倒れる。もう一人の絵描きは、どんなに描いても描いても売れない絵ばかり。困窮の挙句、友達の『アルルカンとピエロ』をそっくりそのまま真似て描いたら、それが何と大当たりして、一躍時代の寵児に駆け上がる。そのことを彼が手紙で友に告白、許しを請うと、友の方は彼の成功を喜んで、更に頑張るよう激励の返事を出した後、あの世に旅立つ。しかし彼は、名声絶頂の最中に突然自殺を遂げた。

 半沢直樹は、いや、池井戸潤はやっぱり面白い。それはいいが、あんまり面白いので、つい焼酎を舐め舐め読んでいたら、翌日、読みかけの所から先へ進もうとして、筋が分からなくなってしまった。結局素面で読んだ所まで遡って、漸く筋を探し当てた。やっぱり、読むときは酒を控えようと改めて誓ってはみたが、さてどうなりますか?・・・・酒は、美味いし、楽しいもの。しかし困ったことに、呑んだらその時間に何をしていたか、すっかり忘れることが多い。呑み始めたのが成人になった頃だから、以来半世紀以上を呑んできた。そのうち記憶を失った時間を合わせると一体何年になるだろう?そんな疑問が浮かんだ途端、空恐ろしくなって思考を止めていた。

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 冒頭で紹介した、自転車のタイヤに留まった油蝉のことである。見ている僕に、見知らぬおばさんが近寄って来た。「記念に撮ります」と断ってスマホをかざすと、おばさん微笑んで見守っていたが、僕が去りかけると「緑がある所へ置いたげるわ」と言って、蝉を摘まみ上げた。それで漸く気が付いた、自分に優しさが欠けていることを。

2022811日)


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続・ウクライナ酔夢譚 [読後感想文]

続・ウクライナ酔夢譚

 

 アパートの庭に半世紀近い樹齢の(けやき)と桜の老木が何本かあって、夏になると蝉の合唱が(かまびす)しい。早朝から夜もとっぷり暮れるまで、恥じらいもなく雌を求めて唸る雄の恋歌は、しかし地下雌伏7年の後の僅か7日の命と聞けば、文句を言う訳にもいかない。あんなに鳴いては天敵の鳥たちに居場所を晒すようなものなのに、恋は盲目な上に明日知れぬ命、きっとそれどころではないのだろう。

 今頃、ウクライナの夏はどんなに暑いことだろう。先日読んだ『ウクライナ侵攻に至るまで(誰も知らないウクライナの素顔)』の中で主人公は呟く、ロシアはウクライナからこそ生まれたのに、なぜウクライナを攻めるのか?答えは明示されていないけれど、ウクライナから生まれたロシアだからこそ、ウクライナがもしロシアを蹴ってヨーロッパに付いたら、ロシアのレゾンデートルが無くなることを恐れるのだろうか?

 小説の主人公は自らにこうも問う、多くのロシア人が未だにプーチンのやり方に異を唱えないのは何故だろうと。そして推測する、大半のロシア人は長い期間を農奴として生きていた。そのDNAが今蘇り、再び専制君主を崇めるのかと。

 一方のウクライナはプーチンを憎み、日記小説の7年前の2015年夏、キエフの露店にうずたかく積まれたトイレットペーパーが紹介されている。トイレットペーパーにはプーチンの写真とともに「チンポコ野郎、プーチン」と言う文字も刷り込まれていた。

 また、主人公は語る、そもそもウクライナは好き好んでソ連の一員になったのではない。それどころか、ボリシェビキとロシアと4年も戦った末に負けたため、泣く泣くソ連に加盟させられたのだと。作中の、ある若者の言葉である、「ヨーロッパが天国でないことぐらいウクライナ人も分かっている。しかし、ロシアと比べれば、天国だよ」。

 この本を読んで初めて知ったのは、1920年(大正9年)、それは我が母が誕生した年だが、ロシアの極東に「緑ウクライナ(Зелёный Клин)」なるウクライナ人の国が生まれていたことである。場所は北海道や樺太対岸、今は沿海州と呼ばれる辺り。但しその国は、2年半後の1922年にソ連赤軍により潰された。現在、ロシアと接する西はウクライナ、東は日本だが、もし緑ウクライナが生き永らえていたならば、我が隣国はウクライナのはずである。そう思うと、ウクライナのことがいよいよ気になり始めた今日この頃なのだ。

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 昨日アパートの玄関を出ると、ポーチのレンガ道に二匹のミンミンゼミが鳴きもせず身を寄せ合っていた。互いに反対方向を向いている。もしかして、と思ったが、これも一期一会とスマホをかざした、ご免ね、もし大事なとこだったらと詫びながら。

202286日)


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ウクライナ酔夢譚 [読後感想文]

ウクライナ酔夢譚

 

 『ウクライナ侵攻に至るまで』(副題:誰も知らないウクライナの素顔)—-タイトルに惹かれ読んだ本である。てっきりルポルタージュかと思いきや、日記風の小説だった。著者・小野元裕(もとひろ)は日本ウクライナ文化交流協会会長で、ウクライナに入れ込み、ウクライナ全域を取材で廻ったという。日記のスタートは、2013年末—ちょうど通称マイダン革命と呼ばれるウクライナの第2次市民蜂起により、親露派のヤヌコービッチ大統領がロシアに逃亡した頃で、直後にロシアがクリミア半島を力で捥ぎ取り、ウクライナ東部(ドネツク州、ルガンスク州)の親露派勢力を幇助し始めた時期に当たる。

 日記はその後8年の間に、ロシアとウクライナの間で起こった様々な出来事を綴り、最後は今年224日、ロシアが国境を越えてウクライナに攻め込んだところで終わっている。

形式は日記風な小説でも、過去8年にわたり著者自らが見聞した事実やウクライナの知人から入手した情報がベースになっているので、実質はルポルタージュと同じだろう。お蔭で現在進行中のウクライナ戦争の背景について、教えられることが多かった。中でも特に印象を受けたのは、今年2月にロシアが攻め込んだ、その8年も前から、東部がすでに戦争状態にあったことだ。

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 例えば8年前の20147月に、アムステルダム発クアラルンプール行きマレーシア航空ボーイング777がドネツク上空で地対空ミサイルにより撃墜され、乗客乗員298人全員死亡という事故があった。そのミサイルは、ロシアが親露派勢力に供与したものというのが大方の見方である。

 例えば7年前の20156月に、日本のトップとして初めてウクライナを訪れたのは誰あろう、先般凶弾に斃れた安倍晋三(当時の首相)であった。いずれもそれらの報道には当時接していたはずなのに、その頃東部地域がすでに戦争状態にあるとは露知らず、ためにそんな事実が記憶に留まることはなかった。

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 連日茹だるような暑さの中、蝉ばかりが元気一杯、恋の歌を歌っている。散歩の途中、ベンチの下で休むアブラゼミと目が合った。歌い疲れたのか、ジジとも鳴かない。恋は、きっと成就したに違いない。

202284日)


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