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ウクライナ・ダイアリー(ウクライナと汚職) [読後感想文]

ウクライナ・ダイアリー(ウクライナと汚職)

 

 ウクライナ・ダイアリーを締め括る章は、「もう一つの戦い」。戦う相手は、汚職。ウクライナは政府機関に蔓延る汚職で悪名が高い。ロシアによるウクライナ侵攻から1年が経った頃、二人の記者が国防省による兵士用食料調達価格の巨額な水増し疑惑をすっぱ抜いた。著者はこの二人の記者に会見、意見交換した内容を披露している。二人によれば、侵攻前は毎日のようにあった内部告発が、侵攻後はさすがに無くなっていたが、半年も経ったら毎日1通のペースで届き始めたと。

 二人は、過去10年の間に汚職の規模は確実に減少して来たが、更なる縮小を目指し告発し続けることが自分たちの使命だと自負しつつ、「汚職こそ、『ルースキー・ミール(ロシア世界)』そのものだと力説。そのとき著者は思わず、ロシアの獄中にいる反体制指導者ナワリヌイ(かって毒殺されかかった)の言葉「プーチンの統治とはつまり汚職だ」を思い出し、ウクライナが抱える問題はきっとソ連時代に根がある汚職の文化で、「ロシアの軛」に違いないと考える。

 浅学の我れはといえば、かってのソ連や今のロシアの汚職については知識の欠片もないが、ロシアにしろウクライナにしろ、それは彼ら自身が選択した道なのだから、我らにはどうのこうの非難する権利は毛頭ないように思われる。単純に過ぎるかもしれないが、国家とは家庭のようなものではなかろうか?隣の旦那がアル中で早死にしそうだからといって、禁酒を強いる勇気は、少なくとも僕には無い。

 たまたま今日の産経新聞に「ウクライナ EU加盟暗雲」の記事有り。ハンガリーが反対とあって、理由の一つに『汚職』が挙げられている。このケースは理解できる。EUに加盟するというのは、一つ家に住むことであろうから。

 写真は今日の六義園のハゼノキである。六義園の主人公は、すでにモミジやカエデに置き換わり、(はぜ)は盛りを過ぎて、池辺の老木などは葉うち落としてすっぽんぽん。渡月橋に右から枝垂れる櫨だけが、左から迫るモミジに負けじと断末魔の炎に染まっていた。そして、熊笹の上に落ちていたのは、ちいさい秋。

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 最後に出口で、職員の女性に尋ねた、「ここはハゼノキが多いけど、一体何本あるんですか?」。他の職員にも相談し、出て来た答えは、約45本。ええっ、驚きながら口を衝いて出たのは、そんなに?きっと世界一だ。と、今度は女性の方が目を丸くした。・・・年頃の女性に軽口をたたくのは、久し振りのことだった。

2023129日)


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