ちいさい秋みつけた2023年 [巷のいのち]
ちいさい秋みつけた2023年
今年の秋もまた、童謡「ちいさい秋みつけた」の櫨の木の紅葉を追って、六義園を四たび訪れた。最初は10月に入って直ぐ、10月10日付投稿「秋立ちぬ」で紹介したように、ほんの一部のハゼノキの枝先の葉が赤味を帯び始め、ひと月後の11月上旬になると、11月6日付「ちいさい秋みつけた(アメリカの根源的大罪その2)」の通り、ハゼノキ全体の6~7割に秋が進んでいた。
3回目は11月25日。ここに掲げる3枚の写真のように3週間のうちに秋は更に先へ進んでいた。その日改めて認識したのは六義園にあるハゼノキの数。11月6日の投稿でいかにも物知り顔に、同園には十数本も有るとほざいたけれど、とんでもない。今頃赤く燃える樹は殆んどがハゼノキ、本数は?老いた頭には数えるのが無理だった。
そして最後に行ったのは一昨日の12月2日。さすがにモミジ、銀杏も衣替えを始めてはいるものの、目に付くのは小さい秋の真っ赤なべべ。この瞬間、秋はハゼノキの独り舞台のようなのだ。足元の熊笹の葉の上にべべの一切れが零れていた ― 君知るや、サトウハチローの歌詞の締め括りを、「むかしのむかしの 風見の鳥の ぼやけたとさかに はぜの葉ひとつ はぜの葉あかくて 入日色 ちいさい秋ちいさい秋ちいさい秋 みつけた」。
(2023年12月4日)
コメント 0