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秋の陣馬山(2) [関東低山紀行]

秋の陣馬山(2

 

  先日陣馬山に登ろうと決めたとき、自らに予め四つのことを言い聞かせた。一つ、途中で苦しくなったら、無理をせず潔く引き返すこと。二つ、富士の姿に遭えずとも、決して落胆しないこと。三つ、紅葉を期待しないこと。そして四つ目は、花枯れの時節ゆえ山野草は無いものと思え。

  さて一つ目、すべての人に追い越され、自尊心を蹂躙されながら喘ぎ苦しんだけれど、それはいつものこと、何とか頂上を越えて縦走できた。二つ目の富士山は、ビユーポイントの明王峠も陣馬頂上いずれからも富士はやっぱり雲隠れしていた。

紅葉は、頂上の樹々が陽を浴びて炎のように燃えていたが、一本の木の幹に巻き付いた蔦漆(ツタウルシ)の3枚の葉にも小さな秋が映えていた。そして山野草は、赤い実もおどろおどろしい蝮草(マグシグサ)と、薄青い花弁を少しだけ開いた竜胆(リンドウ)が心に沁みた。

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陣馬山を越えた後は西に下りて途中からバスに乗り、中央線の藤野駅に着いた。実はこの日、五つ目の目論見があった。それは藤野駅構内で売っている「陣馬の梅漬け」。これを焼酎のお湯割りに入れると、なぜか得も言われぬ味わいなのだ。藤野観光案内所「ふじのね」に踏み入り見渡すと、ありました、その梅漬け。4袋ゲット。

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ところで酒飲みは、卑しいものだ。その昔は仕事でロシア人とよくウオッカを呑んだ。あるロシア人のたまわく、たとえ酒瓶が空になっても、がっかりするな、瓶を逆さにかざせばあと32滴が滴るからと。それを思い出し、先日やってみた。3~4滴のあとはなかなかに遅い。女房の蔑むような視線の中、なお頑張ってみたが、20滴、そこで諦めた。真理を極めることも大事だが、我が人生の時間もあと僅かだから。

2021119日)

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