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秋の陣馬山(1) [関東低山紀行]

秋の陣馬山(1)

 

  今頃の奥日光や赤城山、榛名湖は錦秋のど真ん中、息を呑むほどに美しいだろうと思いつつ、コスパを思い昨日1か月ぶりの山に選んだのは、東京、神奈川県境に立つ陣馬山(855m)だった。早起きしたため、神奈川県の相模湖駅に降り立った後、登山口の慈眼寺に着いたのは朝のまだ7時過ぎ。振り返って下界を見下ろせば、弘法大師が立つ彼方に石老山が横たわり、手前の相模湖の上に秋霞が一筋棚引いている。

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  登山路は北へ向かう。肺に加え心臓にも欠陥を抱える老廃した身体に登りはきつく、喘ぎ々々休みながら普通2時間20分のところを3時間半かけて、やっと高尾山から続く尾根道にある明王峠(739m)に乗っかり、そこからは比較的平坦な山稜(関東ふれあいのみち)を1時間強、陣馬山まで歩いた。この道はよほど人気が高いのか、いつ歩いても下界のように人通りが絶えない。トレイルランもやたらと多い。山のエチケットでは出遭う人ごとに挨拶を交わす。この日初めて、口が疲れると思った。きっと歳のせいだろう。

  この日もしや紅葉に遭えるのでは、という期待が無かったと言えば嘘になるが、たぶん駄目だろうという諦観の方が強かった。だから行けども登れども、緑ばかりが連なる風景には落胆しないで済んだのだが、しかし頂上が目の前に迫った時、突然現れた炎のような樹々を見て、思わず体が弛緩した。そして思った。東京の秋景色もまた、千両役者だと。

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2021117日)


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