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いま、そこにある危機 [関東低山紀行]

いま、そこにある危機


 


この前の滑落事故による首の痛みもようやく癒え、1か月振りにこわごわと山に入った。高尾駅からのバスを小仏(こぼとけ)で降り、(かげ)信山(のぶやま)727m)に着いたのは朝10時、日の本一の霊山が雲に纏われながらもその頂きを垣間見せてくれた。10か月ぶりの拝謁だった。


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そこからは裏高尾の尾根道に沿い、関東ふれあいの道をひたすら東へと進み、小仏峠で懐かしい3匹の狸像に挨拶したのち小仏城山(670m)に至ると頃は1140分、フジヤマは靄に包まれ朧な姿。東進を続け午後1時半、高尾山頂(599m)に立つ。と、人の数こそいや増すけれど、富士は雲の奥に消えていた。


高尾山からの下りは、谷沿いの六号路。一昨日の雨のため道はぬかるみ、「滑落注意」という標識を見て、一層注意を払いつつ下って行く。谷沿いの道になった。5mほどの崖下を渓流が流れている。前方に似たような年頃の老人一人、何かを撮影していて突然後ずさって足を踏み外し、後ろへ滑落。崖を覗けば灌木の細い幹を握りしめ、辛うじて落下を免れていた。いやあ、ひと月前の自分にそっくりの状況なのだ。幸い水の少ない沢まで僅かの距離だったからよかった。・・・僕の場合は孤独な滑落だったが、今回は人気の高尾山、続々と集まる登山客が声を掛け励まし続けた。  


  前回の奥多摩といい、今度の高尾、いずれも東京の低山だが、老いては決して侮るべからず。ふと、《いま、そこにある危機》という言葉が脳裏に浮かんだ。昔読んだトム・クランシーの小説のタイトルだった。


2021104日)



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