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一期一会 [読後感想文]

一期一会


 としが歳だから、3年半前に75歳で最後の職場を首になってからは年金生活を旨に生きている。人間以外の、生きとし生けるものは死ぬまで働くなどと(うそぶ)いて、ハローワークを訪ねたこともあったが、一度限りで諦めた。紹介してくれる人があったため、小菅の東京拘置所にパートで通ったこともあったが、そこも1年で首になった。目下係わりがあるのはシルバー人材センター斡旋の高齢者向けパート作業。近所の小学校が休日に校庭を一般に開放するが、その監視人を仰せつかって3年目。その他には学童が小学校から帰宅する際の付き添いパトロール、これは但し暮れるのが早い冬場限定の稼業。


 さて、『日本よ、(れっき)とした独立国になれ!』はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の関係に少なからぬ紙数を割いているが、我自身GHQについては漠然としたイメージ以外具体的なことは何一つ知らなかったので、意外な事実に驚いた。特に印象深かった点は:


GHQの洗脳活動】 この本で、GHQが日本に駐留した68カ月にわたり日本人洗脳活動に(いそ)しんでいたことを初めて知った。NHK、朝日等大手メディアを取り込んで、悪いのは軍と政府の上層部というキャンペーンを大々的に展開。大東亜戦争という呼称を禁止するとともに、GHQ自らが作成した歴史教科書「太平洋戦争史」を押し付けた。NHKビルの2フロア―をGHQが占拠、NHKをして「真相はかうだ」という連続ラジオ放送を流させた。著者は言う、その頃のメディアはGHQの共犯者だったと。


GHQの残滓】 GHQ指導の下に生まれた組織がいくつかあって、代表的なのが日教組、日本学術会議、日本弁護士連合会。いずれの組織も多かれ少なかれ、GHQの呪縛から未だに開放されておらず、例えば日本学術会議は今でも「戦争を目的とする科学研究は絶対に行わない」という声明を繰り返している。


GHQの経費】: GHQは日本駐留中、東京裁判を通じて日本の戦犯を裁くとともに、すべての日本人の徹底的な洗脳工作に携わった(著者曰く、その結果、戦後29年目にフイリピン・ルパング島から帰還した小野田寛郎ひろおもと少尉以外の、ほとんどの日本人が洗脳の洗礼を受けた)。GHQ87,000人の米軍兵士と文官3,500人を擁し、雇用した日本人は数十万人。これに係る全経費が日本持ちと知って驚いたが、その規模が当時の国家予算の三分の一と聞いて腰を抜かした。何のことはない、敗戦国日本は、なけなしの税金を己れ自身の洗脳のために使わされていたのだ。


 


 冒頭で触れた校庭解放の監視人稼業は老人二人の交代制なので、僕自身は年間の日曜祭日の約半分を校庭で過ごしている。今年の春3月~4月に学校裏で一匹の猫と視線が合った。褐色の大きな猫で、目付きがやたら鋭いが、それだけに存在感があった。その後は、しかし姿を消し、暑い夏が過ぎ、秋になり、校庭に来る都度、視線を巡らすのだが、姿を見せない。モスクワの猫と別れたのは、はるか昔。浮気するのも憚れたし、逆縁になってはいけないと新しい縁結びを避けるうち、いつか26年が過ぎていた。まっ、いいか、どうせ人生は一期一会。


 


2023117日)


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2023117日)


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