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ラーゲリより愛を込めて(ノベライズ小説) [読後感想文]

ラーゲリより愛を込めて(ノベライズ小説)

 シベリアの収容所で無念の死を遂げた山本幡男(はたお)の実話小説を読んだのは、実はこれが4冊目である(もとい、うち一つは今年正月に観た映画『ラーゲリより愛を込めて』だから、3冊プラス一本)。6年前に初めて読んだのが辺見じゅんの『収容所から来た遺書(初刊1989年)、2冊目は同じ辺見じゅんが20年後に同じテーマに再挑戦して書いた『ダモイ遥かに』、三つ目が昨年12月公開の映画『ラーゲリより愛を込めて』、最後の4つ目が映画のノベライズ小説『ラーゲリより愛を込めて』。辺見じゅん(2011年没)筆頭に同じ伝記物語に4度も挑戦した作る側の執拗さは並大抵のものではないが、それは取りも直さず、山本旗男の生きざまがそれほど人の胸を打つからに他ならないからだと思われる。

 かく言う己れ自身この6年の間に、山本旗男と取り巻く脇役(野良犬・クロ含む)の物語に何度も遭遇していたにも拘らず、今回もまた、油断するとつい涙腺が潤むのだった。物語そのものについては、これまで読んだ(観た)都度この場で感想を述べて来たので、敢えて付け加えることは無い。以下は自分に向けた単なる呟きである:

♢ 山本旗男の家族の名前: 母はマサト、妻はモジミ。いずれも変わった名前だと思う。モジミは、モミジならわかる。山本の出身が島根県隠岐郡というのでネットで少し調べたが、どうもよく分からない。子供4人のうち次男は厚生。これは厚生省の厚生に因んだものだと以前の本で読んだことがある(次男は1938年生まれ、厚生省の誕生は同年の1月)。

♢ シラミ、南京虫: 今度の本にもこれらの虫に苦しめられた話が随所に出て来る。抑留者が死んだかどうかはすぐ分かるらしい。死んだ途端、シラミが一斉に身体から逃げ出すからだ。僕自身は80年近く生きて来たが、シラミも南京虫も見た覚えが無い。ということは、それだけ幸せな国と時代に恵まれたということだろう(幼い頃の記憶は殆ど残っていないので、本当は遭っているのかも知れないが)。

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202362日)


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