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時代小説『羽州ぼろ鳶組』 [読後感想文]

時代小説『羽州ぼろ鳶組』

 4月下旬の入院(4泊)を挟んで、今村翔吾の羽州(出羽の国:秋田県、山形県)ぼろ鳶組シリーズ11冊目の長編時代小説『襲大鳳(かさねおおとり)』を読んだが、とんでもない時間がかかった。およそ300年前、安永時代の江戸を舞台に、何人もの火消し侍や火消し町人が大火相手に死闘を繰り広げる痛快この上もない活劇であるが、その火消しの数が多い上にそれぞれが強烈な個性に溢れている。シリーズの大半(1冊目~9冊目)を読んだ4~5年前は、こいつぁ面白いやと次から次に読破した。以来4年・・・・と言っても、後期高齢の4年は尋常な時の流れと異なるのか、記憶の中の登場人物の特徴がいつの間にかすっかりあやふやになっている。

 その上、その登場人物がやたら多い。「あとがき」で作者自身も認めている―「それにしても登場人物の多いシリーズだと自分でも思います。江戸時代を舞台にした、いわゆる時代小説ではもしかしたら最多ではないか。」

 いや、老齢に起因する、あるいは転倒事故による記憶の喪失はすべて本人自身の問題である。この先、本が読めなくなったらどうすればよいか不安は残るが、先ずは読む本を厳選しようと思う。ということで、手つかずだった桜木紫乃の官能小説「緋の河」と「孤蝶の城」を今日図書館に返却した。

 さて、件の『襲大鳳(かさねおおとり)』のこと、苦労の甲斐があったのか、後半に至り筋も漸く噛み合ってストーリーに没入、気がついたら大団円を迎えていた。ぼろ鳶シリーズは、やっぱり面白い。

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202355日)


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