幻の年賀状 [忘れ得ぬ人々]
幻の年賀状
師走も半ばを過ぎて、そろそろ年賀状の準備をしようとパソコンの年賀状ソフトを開くと、昨年準備した文案が残っていて、その一つに目が釘付けになった。それは母に宛て書き始めた年賀状の裏面だった。この直後、母が郵便の届かぬ世界へ旅立ったため、印刷されぬままパソコンの奥に眠っていた幻の年賀状。そして今日は母逝ってちょうど一年目の命日。先月13日の一周忌には、ふる里の村を見下ろす山裾の母の墓に初めて参った。あの時スマホに収めた彼岸の名前を改めて見てみる—「福壽妙斐大姉」。この一年、みんな何とか頑張ったよ。母ちゃん、父ちゃんと弟達のそばで安らかに眠れ。
(2022年12月18日)
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