老兵・七夕の集い [忘れ得ぬ人々]
老兵・七夕の集い
7月7日は七夕の夕まぐれ、都心の汐留センタービル41階に集ったのは、52名の老兵。その昔、彼らは同じ商社の鋼管輸出部隊に所属、世界各地に向け石油ガス掘削・輸送用をはじめとする鋼管の輸出ビジネスに勤しんだ。彼らは毎年七夕の日を選び都心で顔を合わすことにしていたが、コロナに阻まれたため、今回が4年ぶり、通算20回目の立食の宴となった。
宴の最初は黙禱。4年の間に8名の戦友を失ったからだ。あとは三々五々集い合い、或いは語り、或いはグラスを合わせていたが、なにせ米寿もいれば卒寿もいる。日がとっぷり暮れぬうちに散会となった。
写真の3人は、かってコメコン華やかなりし頃、一人はウイーンに駐在して東欧諸国に鋼管を売り込み、二人はモスクワでソ連向け拡販に取り組んだ。彼らが売り込んだ鋼管の一部は、ロシアからウクライナを経て東欧、西欧に向かうガスパイプラインに組み込まれていた。その後ソ連とコメコンが消滅すると、東欧諸国は雪崩を打ってNATOに加入、その挙句昨年2月、ロシアがウクライナに攻め込んで、戦いは今日も続いている。友よ、グラスを干そうか。しかし何のために?
(2023年7月9日)
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